HDD(ハードディスク)の異音がした時の原因と対処方法について、3分でわかるようにまとめました。
HDDのトラブルの予兆として代表的なものが異音の発生です。
PC歴が長いベテランの中には、HDDから異音発生後にクラッシュしたという経験を何度もしてHDDのガコッガコッという音がトラウマになっているという人もいるものです。
そんなHDDの異音問題ですが、異音がしたらどう対処すればいいのでしょうか?
HDDから異音がしたら、ユーザーがすべきことは基本的にひとつだけです。
それは、即座にバックアップを取ることです。
異音がしたHDDに含まれる重要なデータを、別なディスク上にすぐにコピーします。
可能ならばディスク全体のバックアップを取りましょう。
異音がしている状態でディスクを回すこと自体がリスクですので、後回しは絶対にいけません。
どうしてもその場でバックアップする時間がないというならば、せめてHDDを接続しているパソコン等の電源を切って、HDDがそれ以上動作しないようにしておきましょう。
他には、気休め程度にHDDに冷却ファンを当てて冷やすという手もなくもありません。
熱はHDD内部の軸ズレの原因ですので全くの無意味ではないですが、異音が発生してから冷やしてもあまり有効とは言えないでしょう。
そもそも何故HDDから異音がするのでしょうか?
HDDは内部で円盤が回転し、その円盤にアームを接触ギリギリまで近づけて、アーム先端から磁気的にデータを読み書きするという意外と原始的な構造を取っています。
つまりHDD内部に大きな可動部品が複数あるということです。
これらの動作不良が異音の正体なのです。
アームが劣化してスムーズに動かなくなったり、複数のディスクをまとめる軸がズレていて傾いたままディスクが回るなど、あらゆる物理的な要因が異音の原因となります。
HDDから異音が発生したまま放置すると、多くは物理的な破損に至ります。
例えば縦に配置されている複数のディスク同士が接触したり、ディスクとアームが接触したりします。
そうするとディスクは高速回転していますので、削られて破片や鉄の粉が舞います。
その無数の破片や粉が高速回転するディスク表面をまんべんなく傷つけるので、一瞬のうちにHDD全体がまったくデータ復旧できなくなるほど完全に破壊されることが多いです。
これが俗にいうHDDのクラッシュという状態なのです。
ちなみに、SSDやeMMC、USBメモリなどのフラッシュメモリ系のストレージはHDDと根本的に構造が異なり、可動部品をほとんど必要としない構造となっているため異音トラブルは起こりません。
フラッシュメモリにもデータ損傷トラブルはありますが、少なくとも可動部品による物理的なクラッシュは起きないというわけです。
現在ではシステム用には速度に優れるSSDを、データ用には容量単価に優れる大容量HDDを、という使い分けがなされていますから、なおさらHDDのクラッシュは大損失を招きます。
異音がしたらすぐバックアップという大原則を忘れないでください。
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